出石皿そば

 江戸時代中期の宝永三年(一七〇六年)信濃国上田藩より但馬国出石藩に国替えとなった仙石政明が、蕎麦(信州そば)職人を連れてきたことに始まるとされる。
 現在は割り子そばの形態をとっており、この形式となったのは幕末の頃で、屋台で供される際に持ち運びが便利な手塩皿(てしょうざら)に蕎麦を盛って提供したことに始まるとされる。
 昭和三〇年代(一九五五年―一九六四年)に「出石皿そば」として現在見られるスタイルが確立された。店舗では通常一人前五皿で供される。
 一皿に盛られた蕎麦の量は二〜三口程度であり、一皿単位での追加注文も可能な店が多い。蕎麦は実を丸引きしており、徳利に入ったダシと、薬味として刻みネギ・おろし大根・おろしワサビ・トロロ・生鶏卵一個などが出される。わさびはおろさずに出てきて客が自分でおろすようになっている場合もある。
「碾きたて」「打ちたて」「 茹がきたて」の三たてが、伝統的な信条とされている。
 【出石皿そばの歴史資料参照】

石臼碾き自家製粉

国内産玄そばの石臼碾き
手打ちそばを茹がく
手塩皿に盛付け
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